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「目の前の家が流され…」 ごう音、ガス臭も 松山土砂崩れ

毎日新聞 2024年7月12日 22時18分

 松山市で12日未明に発生した土砂災害は、倒壊した民家に住む90代男性と80代女性、40代男性が行方不明となっており、消防などが3人の捜索を続けている。

 「ベランダから外を見たら、目の前の家が土砂で流されていた。怖かった」。松山市で12日、土砂災害により倒壊した民家近くのマンションから避難した大学院生の男性(23)が毎日新聞の取材に応じ、当時の緊迫した状況を語った。

 午前5時ごろ、誰かが鳴らしてくれたインターホンの音で目が覚めた。少し時間を置き、「雨が降っているかな」と思いながら外を見て土砂崩れに気づいた。しばらくすると警戒アラートが鳴り、ベランダから見直すと前の家が流されていた。午前7時ごろ、訪ねてきた消防隊員2人から呼びかけられ、避難したという。

 入居する前に土砂災害の恐れがあるとは聞いていた。急傾斜地の特別警戒区域で、かなり危険度が高いとも認識し、雨が降る度に心配はしていたという。

 今回、土砂災害を間近で見て、危機感、警戒の必要性を再認識したという男性。「避難する時に何を持って行けばいいのかもすぐに思いつかず、多少なりとも知識を持っていることが大事だと思った」とも語った。

 一方、民家の隣の別のマンションも土砂による被害が大きいとみられる。避難した50代の女性は「8階にいたが、折れた木がベランダに飛んできていた。山と建物の間に立体駐車場があるのに、ここまで被害が及ぶとは」と驚がく。4階に住む80代の男性は「グワーン、ガタガタと雷のようなすごい音がした。暗くて外はなにも見えなかった。ガスの臭いがして警察の車両で避難所にきた」と話した。【山中宏之、川原聖史】

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