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ペリー提督やジョン万次郎の子孫が集結 生徒に伝えたいこととは

毎日新聞 2024年7月16日 19時35分

 江戸後期の1841年、漁船で遭難し、米捕鯨船に救助されたのが縁で日米交流に尽力したジョン(中浜)万次郎の子孫らが16日、私立東邦高(名古屋市名東区)を訪問。生徒たちに国際交流の大切さを訴えた。

 同校を訪れたのは、万次郎のやしゃごで名古屋市天白区の中浜京さん(60)▽万次郎を救助した米捕鯨船のウィリアム・H・ホイットフィールド船長の6代目子孫、スコットさん(51)と7代目子孫、ワイヤットさん(28)=米国在住▽幕末の「黒船来航」で知られる米海軍マシュー・カルブレイス・ペリー提督の5代目子孫、マシュー・カルブレイス・ペリーさん(83)=同=ら。

 万次郎の救助が縁で、中浜家とホイットフィールド家は180年以上交流が続いている。万次郎の遭難から150年にあたる1991年には、両家の交流を手本に市民レベルの日米交流を目指し「日米草の根交流サミット」が設立され、日米で交互に大会が開かれている。中浜、ホイットフィールド、ペリー家が7月10~14日の和歌山大会に参加するため来日したため、東邦高国際探究コースの生徒が招待した。

 京さんは太平洋戦争前の1940年、ホイットフィールド家が戦争を避けるため「平和の使節」として来日し、中浜家らと交流した逸話などを紹介。「国同士のつながりと個人間の関係は全く別。これからも両国の平和と世界平和に貢献したい」と語った。スコットさんは「180年前から手紙を通じて交流してきた」と両家の歴史を語った。

 軍艦4隻を率い、鎖国下の日本に開港を要求したペリー提督。子孫のマシューさんは「ピースメーカー(平和の担い手)」として来日したと説明。世界平和に向け「交流、対話を続けることが大切。海外を旅して他の文化を学びいろいろな人と話してほしい」と生徒に呼びかけた。

 同高3年の村瀬紗良さん(17)は「交流を続けることが世界の平和につながると実感した。彼らが話してくれたことを伝えていきたい」と話していた。【川瀬慎一朗】

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