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福岡発 カバ印アイスキャンデー 年間80万本、原料に果実どっさり

毎日新聞 2024年7月22日 16時14分

 カバのイラストが目印の懐かしさいっぱいのアイスキャンデー。福岡県柳川市の農家が届ける涼やかな夏の味は、昭和レトロブームにも乗って全国区の人気を誇る。

 キャンデーはマンゴーやあまおうなどフルーツを中心に7種類の味が基本のラインアップ。「ソーダ以外、香料や着色料は使っておらず、原料の果物もどっさり入れる」。そう胸を張るのは製造・販売する「椛島(かばしま)氷菓」の椛島一晴さん(63)だ。

 椛島さんは同市内で農園「杏里ファーム」を経営。もともと米とい草を作っていた農場で、2005年からドラゴンフルーツやマンゴーといった南国フルーツの栽培を手掛け、翌06年に日持ちするジェラートの製造・販売を始めた。

 ほどなくして「子どもが買えるものを」と考えたのが、手ごろな値段の棒アイス。11年から商品名を昭和レトロ感のある「キャンデー」にした。

 その年、博多阪急(福岡市)の催事で50日間出品したところ、カバ印が「かわいい」と引きつけたのか、口コミで人気に火が付いた。「手に取って食べ、『もう1回買おう』となったのでは」と椛島さん。1日約600本だった生産は10倍の約6000本に。現在は年間約80万本を九州中心に全国各地で販売している。反響の理由を椛島さんは「デザイン性と味でしょうね」と分析する。

 杏里ファームを立ち上げた時に抱いた「夢が見られる農業を」の思いは変わらず、他の農家などが作った果物を使ったアイスの受託製造もしている。「手作り感」を大切に、今後は自分の農園で栽培するドラゴンフルーツのキャンデー作りを考えている。【井上和也】

椛島氷菓

 柳川市本城町53の2。古民家を転用した本店で、カバ印のアイスキャンデーはあまおう、抹茶150円、マンゴー180円(いずれも税込みの本店価格)など。ジェラートはあまおう300円、マンゴー500円(同)などを扱う。グッズ販売もある。午前11時~午後4時。水曜定休。本店(0944・74・5333)。

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