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海上幕僚長、着任後初の会見で謝罪 不祥事は「組織体制にも要因」

毎日新聞 2024年7月23日 18時44分

 国の安全保障に関わる「特定秘密」の不適切な取り扱いなど不祥事が続く海上自衛隊のトップに19日付で着任した斎藤聡海上幕僚長(57)が23日、初の記者会見に臨み、「国民のみなさまの期待と信頼を大きく損なう不祥事を生起させたことは誠に遺憾であり、深くおわびする」と謝罪した。その上で「問題に誠実に向き合い、信頼回復に当たっていく」と語った。

 斎藤氏は長崎県出身。海上幕僚監部防衛部長や自衛艦隊司令官などを経て、事実上更迭された酒井良・前海幕長(61)から職責を引き継いだ。

 会見で斎藤氏は一連の不祥事に触れ、3秒ほど頭を下げて謝罪。「これ以上、国民の疑念を招くような行為があってはならない」と強調した。再発防止に向けた取り組みを進めるため、来週に海自の主要指揮官などを集めた会議を開き、今後の組織の方向性や考え方を整理する意向を示した。

 酒井氏が退任前の会見で「(海自の)組織文化に大きな問題がある」と述べたことについては、「組織文化という言葉には(不祥事が)組織全体にまん延しているイメージがあるが、私は決してそうではないと思う。多くの隊員は任務に愚直に取り組んでいる」と説明。個々の隊員の順法精神や保全意識の欠如に加え、規則の細部が曖昧なまま放置されていたなどとして「組織の体制にも要因がある」と述べた。

 組織のスローガンとして「誠実」を掲げたことを明かし、「隊員一人一人が自分の仕事に誠実に取り組み、誠実に持ち場を守る。上司、部下、先輩、後輩にも誠実な態度で接する」ことで「困難な任務も遂行できるだろうし、ハラスメントのない、魅力ある職場になる」と語った。【松浦吉剛】

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