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山形・秋田大雨 30日にかけ再び警報級の恐れ 氾濫・浸水に注意

毎日新聞 2024年7月27日 15時5分

 梅雨前線による大雨で被害が出ている山形、秋田両県では30日にかけて再び豪雨となる恐れがあり、気象庁は河川の増水や氾濫、低い土地の浸水に厳重な警戒を呼びかけている。

 気象庁によると、27日午後5時現在、72時間降水量は最大で、山形県真室川町で444ミリ、北秋田市で283ミリを記録し、いずれも観測史上で最も多い降水量となった。防災科学技術研究所によると、大雨特別警報が発表されていた山形県新庄市などで100年に1度よりもさらに頻度の低い「まれな雨」が降ったと推定される。

 東北地方の28日午後6時までに予想される24時間の降水量はいずれも多いところで、日本海側で150ミリ、太平洋側で120ミリ。29日午後6時まででは日本海側で200ミリ、太平洋側で150ミリ。30日ごろにかけて前線に暖かく湿った空気が流れ込み、大雨が降りやすい状況が続く。

 山形、秋田両県や総務省消防庁によると、今回の大雨で、山形県新庄市では25日深夜に救助対応をしていた男性警察官2人がパトカーごと流された。20代の巡査長の死亡が確認され、20代の巡査部長の捜索活動が続いている。

 秋田県内では24日夜、大仙市で男性会社員が「道路が冠水している。迂回(うかい)して帰る」と家族に連絡したまま安否が分からなくなっている。また、湯沢市の工事現場での土砂崩れで男性が行方不明になった。また、秋田市の雄物川で男性の遺体が見つかっており、大雨との関係を調べている。

 住宅被害は27日午後4時時点で、両県で全壊1棟、半壊2棟、床上浸水81棟、床下浸水192棟などに及んだ。

 各地で警察や消防などによる救助活動も行われ、第2管区海上保安本部は26日、河川の氾濫で集落の一部が水没した山形県戸沢村に取り残された80代の夫婦をヘリコプターで救助した。2人にけがはないという。【井口慎太郎、深津誠、宮城裕也】

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