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全国学力テスト 「思考・判断・表現力」「データ活用」に依然課題

毎日新聞 2024年7月29日 17時0分

 文部科学省は29日、小学6年と中学3年を対象とする2024年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を公表した。国語と算数・数学のいずれの教科でも「思考・判断・表現力」を問う問題の平均正答率が「知識・技能」を測る問題の正答率より低かった。20年度以降実施されている学習指導要領が重視する資質・能力の育成に、依然として課題がうかがえる結果となった。

学力テスト、どんな結果だった?

 全国学力テストは全ての国公立と希望する私立の小中学生を対象に実施。2万8276校の186万4437人の結果を集計した。

 知識だけではなく「思考・判断・表現力」を重視する現行の指導要領は小学校で20年度から、中学校で21年度から実施されている。指導要領にのっとった評価の観点が導入された21年度以降の調査では「思考・判断・表現力」の正答率が「知識・技能」を下回る傾向が続いており、今回も同様だった。

 全国の平均正答率は小学校の国語が67・8%、算数が63・6%、中学校の国語が58・4%、数学が53・0%だった。都道府県別の正答率は全国平均の上下10ポイント以内にとどまっており、文科省は実質的な差は大きくないとみている。

 国語は指導要領で「考えを形成する学習過程」が重視されるが、小学校では事実と自分の考えの区別に課題がみられた。中学校では、自分の考えを記述することはできたが、目的に応じた情報への着目や表現する力が不十分とされた。

 算数・数学ではグラフや図からデータを読み取り、見いだした情報を説明する問題の正答率が前回に引き続き低かった。指導要領では小中学校いずれも「データの活用」が新たな領域として盛り込まれているが、課題が継続している。【斎藤文太郎】

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