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町長や議員と「カフェ」で交流 北海道2町でオープン その狙いは

毎日新聞 2024年7月31日 10時0分

 北海道内のオホーツク側に今年、二つの「カフェ」がオープンした。美幌町議会による「議員カフェ」と滝上町の清原尚弘町長が始めた「町長カフェ」だ。インターネットでのやり取りが当たり前となった社会で、膝をつき合わせて意見交換できる機会をつくろうという試みだが、果たして町民との距離は縮まるのか――。【本多竹志】

 議員カフェは6月末に初開催。町議会の本会議は、インターネット中継が定着したこともあり、議場での傍聴者が少ない。年2回の議会報告会も参加者が多くない。新型コロナウイルスの流行で、議員と町民が接する機会も減った。議員のなり手不足が深刻さを増していることもあり、議会や議員を知ってもらおうと、カフェをすることにした。

 会場は議場のロビーなど。参加者はコーヒーなどが入ったカップを片手に、14人の議員と町政について気兼ねなく話した。高校生の子どもを持つ母親が教育改革について議員と意見交換する場面もあった。足を運んだ70代の男性は「正直、議会への関心が薄いので、このような取り組みがあれば、議会が身近になるかも」、40代の女性は「傍聴に行くのは難しいし、敷居が高い。話しやすいカフェのほうが気楽」と歓迎した。

 2日間の開催でカフェを訪れたのは14人だった。町議会の定例会の傍聴者数は、議員改選期の2023年度で1定例会あたり15・5人。22年度はわずか4・5人だったこともあり、一定の手応えがあったようだ。戸沢義典議長は「検証を重ね、よりよい形で継続を目指したい」と話している。

 もう一つは、滝上町の清原町長が今年1月から町立図書館で開いている町長カフェ。6月29日に3回目があり、約10人が参加した。前2回も同じくらいの参加者がいたという。

 カフェは、清原町長が公約に掲げた「情報発信の強化」の一環。読書の面白さを伝えようと、町立図書館が月2回のペースで開催する図書館カフェの手法を参考にしたという。町民の近況報告から町長の事業の説明までテーマを定めない懇談形式で行われた。

 参加した60代の男性は「町長と意見交換して町民もできることを伝えられる場。貴重な時間だと思う」とカフェに好意的だった。清原町長は「対話の機会の一つ。町民がどんな意見を持っているかを知りたいし、町の情報も発信できる」と述べた。年4回程度の開催を予定する。

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