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台風7号、福島・いわきなどで避難指示 転倒などけが人も相次ぐ

毎日新聞 2024年8月16日 18時26分

 台風7号の接近により東日本では16日、鉄道や空の便といった公共交通機関が大きく乱れ、行楽や帰省の足に影響が出た。転倒などでけが人も相次いだ。関東・東北地方の一部自治体では、避難情報の発令により各地で避難所が開設されるなど、大荒れのお盆最終日となった。

 各地の消防などによると、川崎市高津区のマンションで40代男性が強風で閉まったドアに手をはさまれ、左手中指の先端を切断するけがをした。また、神奈川県藤沢市で70代女性が強風にあおられて転倒し、額に軽傷。茨城県笠間市では男性(70)が転倒して軽傷を負った。

 太平洋に近い自治体は、住民に避難を促した。

 福島県いわき市は16日午後、市内全域の14万世帯32万人に避難指示(警戒レベル4)を発令。2023年9月にも台風13号で1人が亡くなる被害があったことを受け、内田広之市長が緊急メッセージを出して警戒を呼びかけた。

 千葉県でも茂原、旭市で計3万6669世帯の8万731人に避難指示が出された。16日午後4時半現在、50市町村に避難所が設けられ、348カ所に1854人が避難した。

 東京都内では調布、三鷹市や大島町で、計7万5185世帯に対して警戒レベル3に当たる高齢者等避難が発令され、避難所が設置された。荒川や隅田川に接する北区、島しょ部の八丈町や三宅村でも自主避難所などが開設された。

 一方、JR東京駅はお盆期間中にもかかわらず、朝から人が少なく、訪れた人は閉鎖された東海道新幹線の改札口で、運休を知らせる張り紙を眺めていた。

 JR東海は、台風7号の影響で東海道新幹線の東京―名古屋間の運転を終日見合わせたことを受け、17日始発から通常ダイヤに加えて臨時列車を運行すると発表した。臨時列車は全て午前中の東京―新大阪間で上り3本、下り4本。いずれも全席指定席となる。設備に異常があった場合は大幅な遅れや一部運休の可能性があり、臨時列車の運行もなくなる。

 17日に福岡で開催される弓道の全国大会に長男が出場するという群馬県伊勢崎市の自営業、都丸乙和さん(52)は、予定を早めて16日の朝一番に上京した。17日朝に空路で福岡に向かうといい「息子の高校最後の大会なので、どうしても間に合いたい」と祈るように話した。

 JR東日本によると、17日は千葉、茨城県内を走る内房線や鹿島線などを除き、首都圏全線で始発から通常ダイヤで運行する予定という。

 空の便も欠航が相次ぎ、日本航空は16日正午以降に羽田、成田空港を発着する全便の運航を取りやめた。17日も羽田発の36便で欠航が決まっている。全日空は羽田発着の国内線32便を欠航する。

 このほか、ライフラインでは関東一円で断続的な停電が起きている。東京電力パワーグリッドによると、16日午後7時半の時点で茨城、埼玉、千葉3県の4040軒で発生している。送電設備に支障が生じるなどしたためという。

 行楽地や観光施設でも、急な休業や営業終了時間の前倒しが相次いだ。東京ディズニーリゾート(千葉県浦安市)は午後9時の閉園を午後3時に早めた。【春増翔太、柿崎誠、松尾知典】

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