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利用者、30年で235万人→8万人 三浦海岸、存続のカギは夕~夜?

毎日新聞 2024年8月21日 14時30分

 神奈川県三浦市は、民間団体が今夏の海水浴場開設を見送った三浦海岸の利活用を模索している。かつては200万人以上が訪れる海水浴場だったが、近年は利用が低迷。市が直接開設することも視野に検討しながら、猛暑を避けた砂浜の楽しみ方も探る。

 三浦海岸の海水浴場は1994年に235万人が利用したが、より都市部に近い海水浴場に利用者が流れるなどし、2023年は8万人まで減少した。これまで地元の飲食店やホテルでつくる民間団体が海水浴場を開設してきたが、財政的な事情で5月に解散した。このため来夏以降も海水浴場の開設が危ぶまれている。

 6月の市議会で海水浴場再開について質問を受けた吉田英男市長は「大きな改革が必要と認識している。他では海水浴場の開設を自治体独自で行っているところもある。事例を研究するように指示を出している。新しい海水浴場に向けた取り組みをしていく」と答弁した。

 ただ、開設したとしても課題はある。市が実施した県内の海水浴場へのヒアリングでは、猛暑による外出控えで客足が鈍り、夕涼みのニーズが増えているという声もあった。三浦市内の海水浴場では市や地元町内会でつくる「三浦地区海水浴場対策協議会」が、海の家の営業時間を午前8時~午後5時と決めている。

 これらのルール変更も視野に、三浦市などは三浦海岸で「MIURA BEACH うみあかり」と題した8月限定イベントを始めた。毎週土曜を中心とした午後3~8時の開催で、浜辺にサンドソファやバーブース、電飾を設置。夕方からは週替わりでビーチヨガやフラダンスなどが楽しめる。

 イベント利用者へのアンケートなどを基に、市は年内をめどに海水浴場のあり方も検討する。担当者は「三浦海岸復活のヒントにしたい」と語る。【蓬田正志】

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