警察官に助けを求められ110番、パトカーを誘導――。入管法違反容疑者の逮捕に協力したとして、千葉県警八千代署は22日、八千代市の食品工場でアルバイトをしている石川圭三さん（57）に感謝状を贈った。
同署などによると、6日夕、帰宅しようとした石川さんは勤務先の駐車場で、同署刑事課の椎葉大樹巡査長（32）が一人で男性を取り押さえている緊迫した現場に遭遇した。
私服姿の椎葉巡査長から「警察です。110番してください」と協力を求められ、石川さんは状況をよく理解できなかったが、素早く通報。電話で指示を受けながら、近くにいた覆面パトカー2台を見つけて呼び寄せた。
椎葉巡査長らはこの日、不審な車を追跡し、その途中で盗難手配がされているナンバーの車であることが判明。取り押さえたところ、男性はベトナム国籍で不法滞在していたことも分かり、入管法違反で現行犯逮捕された。
石川さんの助けに、椎葉巡査長は「『これで応援が来る。助かった』と思った」と振り返った。
感謝状を手渡した松本和浩署長は「警察の仕事は警察だけで成し遂げられるものではない。こうした協力が事件の解決につながる」と話し、石川さんは「今回のようなことがあれば、また協力したい」と語った。【林帆南】