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米兵暴行事件 被害少女が証言「実年齢伝え、拒否した」 那覇地裁

毎日新聞 2024年8月23日 21時0分

 16歳未満の少女を車で誘拐し、自宅で性的暴行を加えたとして、わいせつ目的誘拐と不同意性交等の罪に問われた米軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)所属の米空軍兵長、ブレノン・ワシントン被告(25)の公判が23日、那覇地裁(佐藤哲郎裁判長)であり、少女が証人出廷した。少女は被告に実年齢を伝えたとし、「逆らうのが怖かった」と証言した。

 弁護側は7月の初公判で、被告は少女を18歳と認識し、行為は同意の上だったとして無罪を主張していた。

 証人尋問は証言台の周りをついたてで囲んで遮へいした状態で実施された。少女は公園に1人でいたところ、被告から声をかけられ、自分の実年齢を英語や手の指を使って伝えたと説明。被告は銃を構えた画像を見せたり、スマートフォンの翻訳アプリを使って「軍の特別捜査官」などと伝えてきたりしたといい、少女は「怖いと思った」と振り返った。

 被告の自宅で動画を見た後にわいせつ行為をされた際は「やめて、ストップ」と告げて拒否したことを明らかにした。また、事件前となる昨夏にも自宅の近くで外国人男性に抱きつかれるなどの被害に遭っていたとも証言。その時に男性が「マイハウス」と指さした家が、今回の事件で少女が連れ込まれた家だったという。

 少女は事件後、「自分の感情をコントロールできなくなったり、自傷行為が激しくなったりした」と訴えた。眠れなくなり、医師に相談して今年8月から睡眠薬を服用しているとし、「(被告には)自分が犯した罪の重大さをわかってほしい」と語った。

 起訴状によると、ワシントン被告は2023年12月24日、沖縄本島中部の公園で少女に「寒いから車の中で話さない」などと声をかけて車で自宅に連れ去り、16歳未満と知りながら、同意を得ずに下半身を触るなどしたとしている。

 事件は政府や県警が「被害者のプライバシー保護」などを理由に公表せず、沖縄県にも伝えず、起訴から約3カ月後の6月25日に報道で明らかになった。【喜屋武真之介】

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