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ロケット「カイロス」2号機発射へ 初号機は安全設定の問題で失敗

毎日新聞 2024年8月25日 20時16分

 宇宙ベンチャー「スペースワン」(東京都)は25日、今年3月に和歌山県串本町の民間発射場から打ち上げたロケット「カイロス」初号機が直後に爆発して失敗した原因について、エンジンの推力設定に問題があり、速度不足だとロケットが自ら判断して破壊したためだったと発表した。改善策を施し、12月にも2号機を打ち上げる。

 同日開いた記者会見で明らかにした。「カイロス」は同社が独自開発した全長約18メートルの小型固体燃料式ロケット。3月の打ち上げでは内閣官房の小型衛星を搭載していたが、発射約5秒後に異常を検知、自ら破壊する処置に至っていた。2号機では50キログラム級の衛星1基、超小型衛星4基の計5基を搭載し、地球から高度約500キロの高度に投入する。

 同社によると、ロケットの飛行計画を設定する際、燃料のサンプルから燃焼速度を推定しエンジンの推力を予測する。しかし、初号機ではこの計算の一部に問題があり、推力が実際よりも高めに設定されていた。その結果、安全システムがロケットを「速度不足」と判断してしまい、自ら破壊したという。

 実際の推力に問題はなかったことから、今後は計算方法を見直す。安全システムについても「設定を厳しくし過ぎていた」として、正常飛行と判断する範囲を広げて対応する。

 この日会見した同社の豊田正和社長は「2号機ではお客様の信頼に足る対策を講ずることができた。全身全霊を尽くして打ち上げ成功に向けて対応したい」と話した。【露木陽介】

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