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東京大名誉教授・伊藤隆さんが死去 91歳 近現代史研究に貢献

毎日新聞 2024年8月27日 0時0分

 政治家の史料発掘やオーラルヒストリー、資料の編さん、刊行などで日本近現代史研究に貢献した東京大名誉教授の伊藤隆(いとう・たかし)さんが19日、合併症のため死去した。91歳。葬儀は近親者で営んだ。

 1932年、東京生まれ。東京大文学部国史科卒、東大大学院修士課程修了。61年に東大社会科学研究所の助手に採用されたのをきっかけに、研究テーマを明治史から昭和史研究に変えた。辻清明・東大教授が中心となっていた内政史研究会や岡義武・東大教授を中心とする木戸日記研究会に参加。文献資料の研究を進めつつ、政治家や官僚などへの聞き取りを資料として活用し研究を深めた。

 東大教授、政策研究大学院大学教授などを歴任。「牧野伸顕日記」や「佐藤栄作日記」「岸信介の回想」「情と理 後藤田正晴回顧録」などの編さん、刊行に関わった。主な著書に「昭和初期政治史研究」「近衛新体制」「歴史と私」など。門下生の多くが研究者になるなど、後進の指導でも活躍。また「新しい歴史教科書をつくる会」の活動に関わるなど、保守派の論客としても知られた。

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