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わいせつ被害の生徒に補助金 心のケアや治療に最長3年 埼玉・朝霞

毎日新聞 2024年8月26日 18時11分

 埼玉県朝霞市の公立中学校の元教諭の男性(44)が複数の男子生徒にわいせつな行為をしていたなどとして、さいたま地裁から児童福祉法違反などの罪で懲役3年の判決を受けた事件で、同市は26日、被害に遭った生徒に対し、心のケアや治療のための補助金(月額最大1万円)を最長3年間支給すると発表した。市教育委員会によると、こうした制度は全国的にも珍しいという。

 判決などによると、元教諭は2022年から昨年まで、校内や学校行事の宿泊先で、生徒にわいせつな行為や撮影を繰り返した。昨年10月、朝霞署に強制わいせつ容疑で逮捕され、今年2月に懲戒免職となっていた。

 市教委によると、判決で認定された行為のほかに、元教諭は「行き過ぎた指導」や「理不尽なしっ責」などもしており、複数の保護者から「今も学校に行けない」「心の治療のためのカウンセリング代がかさむ」などの相談が寄せられていたという。

 このため、元教諭の行為で不登校や精神不安定になった生徒に対し、治療費などを月額1万円まで支払うことにした。30日開会の同市9月定例市議会に補正予算案を提出する。対象者は30人と推定し1年分(360万円)を予算化するが、申し出が多ければ予算額を超えても補助する。市教委は「全国的に同様の制度はないと思うが被害が大きく、少しでも償いや回復の手助けをしたいと考えた」と制度の趣旨を説明した。【高木昭午】

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