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ピンク電話から音声 見知らぬ誰かの思い出話 山口市で体験型アート

毎日新聞 2024年8月28日 14時0分

 山口市中心商店街の一角に、昔ながらの公衆電話「ピンク電話」が並び、受話器を手にして何やら聴き入っている人たちの姿が見られる。正体は、同市の山口情報芸術センター(YCAM)が制作した体験型の作品「タイムホン」。国籍も世代もさまざまな、見知らぬ誰かが持ち寄ったCDや書籍を選び、その持ち主が語る体験や思い出をピンク電話から聞くことができる。9月1日まで。

 街に溶け込むアートで地域を活性化させる事業の一環。市とYCAMが協働し、商店街の空き店舗を活用してさまざまな作品を生み出しており、今回はアーティストの梅田哲也さんが体験型作品を制作した。

 CDや書籍などのメニューから一つ選んでダイヤルを回し、少し待つと電話が鳴り、持ち主が録音した音声が流れる仕組み。「ちょっと誰かに聞いてほしくて……」。街中の公衆電話で、誰かと会話をしているような感覚を味わえる。YCAMの西翼さんは「買い物のときにふらっと寄って、ちょっと誰かの話を聞いて、気が向いたら自分も思い出の記録メディアを持ってきてほしい」と呼び掛けている。【小澤優奈】

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