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「急所見抜く力もっとつけたい」 永世2冠の藤井王位、一夜明け会見

毎日新聞 2024年8月29日 10時12分

 将棋の第65期王位戦七番勝負(新聞三社連合主催)第5局で挑戦者の渡辺明九段(40)に快勝して5連覇を達成し、永世王位の資格を獲得した藤井聡太王位(22)が対局から一夜明けた29日午前、神戸市内で記者会見した。先月の永世棋聖に続き、最年少で永世2冠の資格を獲得した藤井王位は、追い求める理想の将棋を問われると、「経験が少ない展開の中で局面の急所を見抜く力をもっとつけていきたい。その上で新しい局面や面白い局面を切り開いていけたら」と抱負を語った。

 タイトル戦でも無類の強さを発揮している藤井王位だが、現在3連覇中のALSOK杯王将戦は永世称号の資格に連続5期の規定がなく、最短であと7年かかる。そのことに絡めて、自身の将来像をどう描いているか尋ねられると、「永世称号の条件を把握してなくて、王将戦が10期必要だということも今初めて知りました」と苦笑い。その上で、「先のことの計画はないので、一日一日を大切してやっていきたい」と答えた。

 また、叡王以外の七つのタイトルの永世称号を持つ羽生善治九段(53)についての思いを聞かれると、「永世王将には10期必要だと聞いて、なかなかハードルが高いなと感じたが、この話が出るたびに羽生九段の偉大さを改めて実感するところもあり、記録の面や対局の内容、立ち居振る舞いを含めて少しでも近づいていけたらなと思います」と述べた。

 藤井王位の次のタイトル戦は昨年、前人未到の8冠独占を果たした王座戦で、9月4日に開幕する。挑戦者にはリターンマッチとなる永瀬拓矢九段(31)を迎えるが、「永瀬九段には普段からVS(練習対局)をしていただいて、強さは感じている。まずは序盤で後れを取らないようにすることが必要。前期の王座戦も含めて、持ち時間が少なくなってきた状況でミスが出ているので、時間配分も意識して指せれば」と意気込みを示した。【新土居仁昌】

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