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徳島市のローソン、災害時に電力無償提供へ 非常用コンセントを開放

毎日新聞 2024年8月29日 17時39分

 コンビニ大手のローソン(東京都)は29日、「徳島国府町早淵店」(徳島市国府町早淵)で、大規模災害での停電時に、太陽光発電による電力を非常用コンセントで無償提供する取り組みを始めた。携帯電話などへの充電を想定した100ボルトの電力で、全国に1万4628(7月末)あるローソン店舗では初の取り組みという。

 徳島県とローソンが2023年12月に締結した「包括業務提携に関する基本合意書」に盛り込まれた「災害時における応急対策に関すること」などを具体化した事業。締結直後に発生した能登半島地震を踏まえ、県の働きかけで実現した。

 店舗の屋根部分には最大出力19キロワットの太陽光発電施設があり、日ごろから店で使う電力の一部を賄っている。店内のイートインコーナー横に非常用コンセント(最大1500ワット)を新設し、大規模災害により店舗一帯で停電が発生した際、県の要請で一般に開放する。蓄電池はないため、給電されるのは昼間の晴天時に限られるが、停電が長引いた場合には地域住民らから重宝されそうだ。

 事業用の自然エネルギー発電施設に設置された災害時に使用可能なコンセント設備について、県は「すだちくんコンセント」と称し、地域の非常用電源として活用できるよう協力を呼びかけている。ローソン徳島国府町早淵店の施設も認証された。

 また、29日にはローソンの竹増貞信社長が徳島県庁に後藤田正純知事を訪ね、設備の完成を報告した。後藤田知事からは「すだちくんコンセント」の看板が手渡された。竹増社長は「徳島での試みが全国に広がって災害に強い国に一歩一歩近づいていけば」と話し、運用面の課題などを検証しながら県内の店舗にも同様の取り組みを広げる考えを示した。

 ローソンは、徳島県内にある133店のうち6割超の84店に同様の太陽光発電施設を設置しており、今年度中にさらに7店舗に非常用コンセントを整備する計画。また、全国には太陽光発電施設のある店舗が3000以上あるという。【植松晃一】

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