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「恨む気持ち消えない」 園バス3歳置き去り死から2年 遺族が心境

毎日新聞 2024年9月5日 5時45分

 静岡県牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」で2022年9月に園児の河本千奈ちゃん(当時3歳)が送迎バスに取り残され、熱中症で死亡した事件は5日、発生から2年となった。これを前に、千奈ちゃんの父親(40)は「仕事に復帰して以前の生活に戻そうと頑張ってきたが、悔しい気持ちは深い部分に残り、忘れることはできない。恨む気持ちも強く残っている」と心境を語った。

 事件は22年9月5日に発生。千奈ちゃんは施錠されたバス車内に約5時間にわたって1人取り残され、死亡した。園児の安全確保を怠ったなどとしてバスを運転していた元園長(75)ら2人が業務上過失致死罪に問われ、今年7月、静岡地裁は元園長に禁錮1年4月、クラス担任だった保育士(49)に同1年、執行猶予3年の判決を言い渡し、いずれも確定した。

 千奈ちゃんの父親は8月31日、オンラインで報道各社の取材に応じた。

 この日は千奈ちゃんの三回忌の法要が営まれたことを報告。ほっとした表情を見せつつも、かつて一緒に遊んだ公園などを通りかかると「思い出が重なり、涙が出てくる」と語った。

 7月の判決公判で裁判長は千奈ちゃんの両親に、元園長らに対する怒りや恨みを抱き続けないようにと語りかけた。父親はその言葉に感謝しつつ、「やはり恨む気持ちは消えない」と吐露。引き続き「廃園」を求めていく考えを示した。

 園側や関係者を相手取り損害賠償訴訟を起こす準備をしていると説明。また、SNS(ネット交流サービス)の動画投稿サイトなどで千奈ちゃんのことを中傷されたとも話し、投稿者に損害賠償を求めて提訴したことを明らかにした。

 事件現場となった駐車場には5日午前、献花台が設置される。【丘絢太】

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