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縄文の生活、五感で感じる公園オープン 原発事故で整備中断経て

毎日新聞 2024年9月8日 10時10分

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の影響で、一時整備が中断した福島県南相馬市小高区の国史跡・浦尻貝塚の「浦尻貝塚縄文の丘公園」が7日、全面オープンした。開園は当初の予定より10年以上遅れたが住民らの努力が実り、市は「縄文人の暮らしを五感で感じることができる公園ができた」と来園を呼びかけている。【岩間理紀】

 浦尻貝塚は、5700~2800年前の縄文時代にできた集落遺跡。太平洋間近の高台に約7ヘクタールにわたって広がり、さまざまな種類の貝殻やクジラの骨を削った祭祀(さいし)の道具などが見つかった貝塚の他に、住居や墓が存在する。

 2006年に国史跡に指定され、本来ならば13年に公園として開園する予定だったが、震災と原発事故の影響で整備は中断。17年に再開され、住民でつくる約50人の市民検討会も整備や遺跡を維持する活動に加わってきた。昨年には貝塚の一部を展示する「貝塚観察館」が先行オープンしていた。

 この日は、実物の土器や当時の暮らしを再現した立体絵画などを展示する新設の「ガイダンス棟」が開館。縄文の暮らしや自然環境との関わりを伝える屋外案内板、復元画などもお披露目された。

 市文化遺産サポーターの淀川弥生さん(33)は「自然の風景が残り自分ならではの楽しみ方を見つけることができる、他とは違った史跡になってます」とアピール。同じく田代和正さん(47)は「地元に愛され、外部からも人が集う場所になってほしい」と話した。

 ガイダンス棟と貝塚観察館は年末年始を除いて午前9時~午後5時に開館。入場無料。

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