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小学生ら「ふっかちゃん1万円札」に喜び 田んぼアート見ごろ 埼玉

毎日新聞 2024年9月12日 13時0分

 青々と力強く伸びる稲が広がる埼玉県深谷市本田の田んぼに、市のキャラクター「ふっかちゃん」が描かれた1万円札の図柄が浮かび上がった。川本南小学校(児童数137人)の5年生24人が手がけた田んぼアートが見ごろを迎え、11日お披露目された。

 2009年から続く同校の恒例行事。今年度は地元出身の渋沢栄一翁の新1万円札発行を祝い、ふっかちゃんの1万円札をデザインした田んぼアートづくりに挑んだ。

 キャンバスは同校近くの11アールほどの田んぼ。6月に色の異なる4種類の苗を植えた。それから約3カ月。稲は子どもたちの肩ほどまで成長し、見事な田んぼアートが完成した。

 この日のお披露目では記念写真の撮影会が行われ、5年生全員が「エ~イチ(栄一)」のかけ声で、ニコニコ顔のポーズを決めていた。飯島真澄校長(46)は「子どもたちにとって一生の思い出になってくれれば」と目を細め、「素晴らしい作品ができたのは、地元の方々の力添えのおかげです。子どもたちはどこまで知っているかしら」と言い添えた。

 「楽しみにしていたので、うれしいです」と、元気いっぱいの大沢虹色(そら)さんは「この間、黙って田んぼの世話をしてくれた人がいました。感謝の気持ちです」。子どもたちには、周囲の思いやりの心はしっかり伝わっていたよう。

 田んぼの提供など同小の活動を支えてきたのが、地域の人たちで組織する「応援団」のメンバーたち。真下広義さん(76)は「何をしているというわけではないけれど、子どもたちの成長を間近で感じるのが何よりの喜びです」と話した。

 今月末には稲刈りが行われる。もち米はお餅にして全児童で楽しみ、米は同市友好都市で東日本大震災の被災地、岩手県田野畑村の小学校に贈られる。【隈元浩彦】

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