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102歳が語る、長生きの秘訣「毎日のように1人で歩く」 敬老の日

毎日新聞 2024年9月16日 7時30分

 16日は敬老の日。福岡県内で今年度、100歳を迎える人は2000人超、100歳以上の高齢者は4000人を超え、ともに過去最多を更新した。元気に長生きするための秘訣(ひけつ)とは――。【岡村崇】

「よく食べて、動いて、しゃべる」

 「毎日のように1人で歩くのが日課」。9日、田川市の村上卓哉市長(53)から自宅でお祝いの品を受け取った虎谷利男さん(102)=同市=は、100歳を過ぎてなお健康を保っている理由をそう語った。

 戦時下に朝鮮へ出兵し、終戦を迎えて帰国した。銀行や市役所で勤務した後、55歳で退職し、陶芸を習ったり旅行を楽しんだりしてきたという。

 50歳近く若い村上市長に対し、戦時中の体験を熱心に語り続けていたところ、そばで聞いていた妻の悦子さん(89)が「もう戦争の話は終わり。市長の話も聞きたい」と割って入り、虎谷さんが気まずそうな表情をするなど夫婦独特の掛け合いを見せる場面も。

 悦子さんは「(夫の長生きの理由は)これだけしゃべるから。よく食べて、動いて、私がしゃべれないくらいしゃべる」と笑いを誘った。

 ともに100歳となった田川市在住の安江モトさんと、伊達マツノさんも市長の訪問を受けた。

 安江さんは戦時中に夫と結婚。間もなく夫に召集令状が届いたが、終戦後に無事帰還すると2人の仲はより深まったという。夫は35年前に亡くなったが、戦時中に送ってくれた手紙を大切そうに見つめながら夫婦の逸話を披露した。長生きの秘訣として、3食を楽しんで食べ、毎日日記をつけることなどを挙げた。

 伊達さんは長女や次女らに支えられながら「歩行器を使って、できるだけ自分で歩く」ことを心がけているという。

県内の100歳以上 過去最多4097人

 県によると、15日時点で100歳以上となる高齢者は過去最多の4097人で、前年より75人増えた。

 うち女性が3687人で9割を占め、男性は410人だった。県内の最高齢は、1913(大正2)年生まれで111歳の鬼塚春子さん=水巻町。男性の最高齢は109歳の鴨崎孝輝さん=遠賀町。

 市町村別にみると福岡市の999人が最も多く、北九州市の814人が続いた。今年度中に100歳の誕生日を迎える人(1924年4月1日~25年3月31日生まれ)は男性280人、女性1765人の計2045人。【成松秋穂】

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