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「花輪ばやし」屋台を前に愛誓う 米国人の三味線研究家 秋田・鹿角

毎日新聞 2024年9月23日 11時44分

 毎年8月に秋田県鹿角市で催される民俗芸能、花輪ばやしの屋台を年間を通じて見学できる「祭り展示館」で22日、初めてとなる結婚式が営まれた。豪華絢爛(けんらん)な装飾が施された屋台を前に、新郎新婦は親族や友人ら約100人のほか、訪れた観光客からも「お幸せに」と祝福された。

 花輪ばやしは「山・鉾(ほこ)・屋台行事」の一つとして、国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産に登録されている。

 結婚式を挙げたのは千葉県松戸市の橋本俊和さん(43)とコリーン・シュムコーさん(39)。米国出身で三味線を研究するコリーンさんが以前、花輪ばやしの三味線技術を習得したことなどが縁で、館内での挙式を希望していた。

 二人は2020年に婚姻届を出したが、直後に新型コロナウイルス禍もあって挙式が延期となっていた。この日は長男ノアちゃん(2)とともに神前結婚式に臨んだ。

 会場に花輪ばやしの伝承曲が流れる中、コリーンさんは屋台の前に設けられたバージンロードを父とともに歩み、俊和さんと並んだ。その後、新郎新婦の二人は神職を前に誓いの言葉を述べ、指輪を交換した。

 展示館前のお祭り広場では晴れ着姿のコリーンさんが三味線を手に、地元の若者らとともに花輪ばやしを演奏。二人は「思い出の結婚式ができた」と感無量の様子だった。【田村彦志】

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