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絵本で防犯意識高めて 特殊詐欺被害防止へ 神奈川県が出版

毎日新聞 2024年9月25日 13時0分

 高止まりしている特殊詐欺被害を防ごうと、神奈川県は絵本冊子「あいことばはなーに?」を出版した。被害に遭いやすい高齢者だけでなく、幅広い世代を巻き込んで防犯意識を高めてもらうのが狙いで、9月に県内の小学1年生約7万人に配布した。

 絵本では、男の子が夏休みに祖父母を訪問。オレオレ詐欺に「だまされたりするものか」と自信たっぷりの祖父母の様子を見て、電話をする時に合言葉を使うことを提案した。後日、祖父母宅に「息子」と称して会社の金を落としたとの電話があったが、折り紙に書いた合言葉で被害を防ぐ内容だ。

 県は2023年4~8月に「特殊詐欺と絆」をテーマにした絵本を募集。今回の絵本は、防犯や児童教育など各分野の専門家が審査した46点から最優秀賞に選ばれた作品だ。作者は県内在住の久保田祐子さんで、実家にオレオレ詐欺の電話があり、怖い思いをする人が減ればとの思いから作ったという。

 県警によると、23年の特殊詐欺の認知は2025件(前年比3%減)、被害額は46億900万円(5%増)で高止まりの状況だという。

 県は12月ごろまでに絵本のハードカバー版も制作し、県内の図書館や児童館など計1400カ所に寄贈する。絵本のデータは県のホームページからも入手できる。【蓬田正志】

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