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115カ所の集落孤立が実質的解消 被災地でドローン活躍 能登豪雨

毎日新聞 2024年9月27日 21時10分

 石川県の能登半島北部を襲った豪雨で、県は27日、道路の寸断により一時115カ所に上っていた集落の孤立が実質的に解消されたと発表した。県警などによると、この日までに確認された死者は10人、行方不明者は2人という。

 被害が大きかった輪島市や珠洲(すず)市、能登町にはボランティアが訪れ、復旧に向けた作業が進んでいる。それに伴い、この3市町には災害ごみの仮置き場が6カ所に設置されている。

 輪島市のマリンタウンボートパーク駐車場の仮置き場では、床上浸水した仮設住宅から出た物が多いためか、同じ型の冷蔵庫やテレビが多数並んでいた。

 一方、被災地ではドローンが活躍している。

 国土交通省の緊急災害対策派遣隊(テックフォース)は27日、能登町での活動を報道陣に公開した。豪雨により護岸の一部が崩れた往古(おうこ)川で、人が立ち入りにくい場所や上空から被災状況を撮影していた。

 国交省はドローンなどを使って被災した河川や道路を調査し、その結果を県や市町と共有。自治体が災害復興予算を国に申請する際に活用する。

 輪島市では支援物資を空輸した。午前11時40分ごろ、ドローン2機がパンやアルファ米など食料5キロずつを載せて、鵜入(うにゅう)漁港から相次いで離陸した。

 目的地は、直線距離で約3キロ離れた同市下山町の集会所。この地域は海沿いの道路が崩落して徒歩の行き来さえ困難な状況になっていた。

 今回、ドローンの活用に取り組む「日本UAS産業振興協議会(JUIDA)」と、加盟するドローン関連業者の2社が県からの要請を受けて実施した。JUIDAの嶋本学参与は「今後も要望があれば飛行させたい」と話した。【深尾昭寛、岩本一希、野原寛史】

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