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群馬3人死亡事故 遺族が訴因変更要望書 危険運転で起訴求める

毎日新聞 2024年9月28日 8時57分

 群馬県伊勢崎市の国道17号で5月、トラックが車2台と衝突し5人が死傷した事故で、前橋市の塚越湊斗(みなと)ちゃん(当時2歳)ら家族3人を亡くした遺族は27日、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)罪で起訴されたトラック運転手、鈴木吾郎被告(69)=吉岡町=について、法定刑がより重い同法違反(危険運転致死傷)の罪に訴因変更するよう求める要望書を前橋地検に提出した。

 要望書は、鈴木被告が勤務先の乗車前のアルコールチェックで問題がなかったものの、事故後にアルコールが検出され、運転開始までの約40分間で飲酒した疑いがあることを指摘。「これほどまでに悪質な行為を、検察が危険運転致死傷罪や(道交法違反の)酒気帯び運転の罪にさえ問わない判断は理解できない」とした。

 また、ドライブレコーダーの映像や現場の痕跡などから、左右にハンドルを切った目的はあおり運転だと推測でき、「アルコールの影響で正常な運転が困難な状態に陥っている」と追及した。

 提出後、報道陣の取材に応じた湊斗ちゃんの母親は「起訴状に飲酒運転の項目が入っておらず、納得できない。できることは何でもやろうと思った」と話し、提出に至った心境を明かした。また、担当検事から訴因変更に向けて捜査していることを聞き、「前向きな意見をもらった」と手応えを語った。

 湊斗ちゃんの叔父(26)は「訴因が変更され、少しでも前を向ければ」と心情を述べ、湊斗ちゃんの曽祖母(78)は「ふに落ちない気持ちがあり、事故原因を証明したいという気持ち」と話した。【加藤栄】

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