埼玉県所沢市の住宅で1日未明に発生した強盗致傷事件で、実行役の4人がスマートフォンで指示役と通話しながら犯行に及んでいたとみられることが3日、県警への取材で明らかになった。県警は同日、実行役として強盗致傷などの容疑で住所・職業不詳、森田梨公哉（りきや）容疑者（24）の逮捕状を取り、公開手配したと発表した。
県警によると、森田容疑者は共謀し、1日午前2時10分ごろ、所沢市北野新町2の住宅に侵入し、現金約8万円などを奪ったとしている。住人の80代の夫婦が手足などを粘着テープで縛られ、夫が腕を刃物で切りつけられて軽傷を負った。
森田容疑者は事件後、車で東京都の新小平駅まで移動し、さらにタクシーで逃走。午前3時過ぎに東村山市内で姿が確認されたものの、再びタクシーに乗ったとみられる。
事件を巡って県警はこれまでに佐藤聖峻容疑者（24）＝神奈川県小田原市＝ら20～40代の男性3人を強盗致傷容疑で逮捕、送検している。
捜査関係者によると、3人は容疑を認め「SNS（ネット交流サービス）で闇バイトに応募した」という趣旨の供述をしているという。佐藤、森田の両容疑者は、東京都国分寺市で9月30日未明にあった強盗事件にも関与したとみられる。
他にも同様の事件が県内や都内などで起きており、県警や警視庁が関連を調べている。
また、所沢市の事件で奪われたクレジットカードを使って都内で買い物しようとしたとして、警視庁が安田勇介容疑者（23）を詐欺未遂容疑で逮捕していたことも捜査関係者への取材で判明した。
安田容疑者は「指示されて買い物に行った」との趣旨の供述をしているという。【加藤佑輔、岩崎歩】