鹿児島市民に「持明院様(じめさあ)」の名で親しまれる石像の化粧直しが4日、安置されている市立美術館(同市城山町)前庭であった。
持明院とは約400年前の旧薩摩藩の島津家18代当主・家久の妻亀寿(かめじゅ)の法名。1929年、市役所だったこの場所で、高さ約1・5メートル、重さ約2トンの石を当時の市長が見つけ、コケを払ってみると女性の顔が出現。チョークで化粧し、口紅をつけたのが始まりとされる。美術館ができた54年以来、命日に当たる10月5日周辺に市広報課職員が汚れを落とし、化粧直ししている。
ベースの白と、眉と目の黒はポスターカラー。ほお紅と口紅をつけ、今回久々にアイシャドーを施した。
じめさあは心優しい人柄で多くの人に慕われたとされ、作業に当たった榎木悠人さん(35)は「眉を太くしてしまったが、何とか修正できた。じめさあの温かい気持ちが通りかかった人に伝われば」。松永綾美さん(41)は「華やかさとかわいらしさを心掛けた。アイシャドーのバランスもうまくいった」と納得の表情だった。【梅山崇】