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家畜用ワクチン納入巡り談合の疑い 公取委が3社に立ち入り検査

毎日新聞 2024年10月8日 11時0分

 山形県などが発注する家畜用ワクチンの納入を巡り談合を繰り返していた疑いが強まったとして、公正取引委員会は8日、動物用医薬品卸3社を独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で立ち入り検査した。関係者への取材で判明した。

 関係者によると、立ち入りを受けたのは、アグロジャパン(新潟市)▽MPアグロ(北海道北広島市)▽小田島商事(岩手県花巻市)――の3社。3社は遅くとも2020年度以降、山形県が発注する豚熱ワクチンや、公益社団法人「山形県畜産協会」が発注する豚や牛の感染症を予防するワクチンの納入を巡り、入札前に情報交換して落札価格や受注者を決めていた疑いが持たれている。

 山形県畜産振興課によると、豚熱ワクチンは畜産業者が支払う手数料が一定のため、談合で落札価格が高止まりした分は税金でまかなわれる。他のワクチンは高値になれば同協会や畜産業者の負担が増し、飼料コストの上昇などに苦しむ畜産業者に打撃となるほか、食肉などの消費者価格に影響を及ぼす可能性もある。

 MPアグロの親会社、メディパルホールディングスは「厳粛に受け止め、検査に全面的に協力する」とコメント。アグロジャパンと小田島商事は取材に「確認中」などと答えた。アグロジャパンについては親会社のバイタルネット(仙台市)が02年に、MPアグロはグループ会社のメディセオ(東京都中央区)が22年に、それぞれ医薬品納入を巡る独禁法違反を認定されており、関連会社で違反行為が続いていたことを公取委は「悪質」とみている模様だ。【渡辺暢】

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