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ノーベル化学賞にグーグルのハサビス氏ら AIでたんぱく質の構造予測

毎日新聞 2024年10月9日 18時58分

 スウェーデン王立科学アカデミーは9日、2024年のノーベル化学賞を米ワシントン大のデイビッド・ベイカー教授と英グーグルディープマインド社のデミス・ハサビス氏とジョン・ジャンパー氏の3人に授与すると発表した。

 授賞理由は、ベイカー氏が「コンピューターによるたんぱく質設計」、ハサビス氏ら2人が「たんぱく質の構造予測」。

 アミノ酸が組み合わさってできるたんぱく質は、その立体構造によって機能が決まる。無数にあるアミノ酸の配列からたんぱく質の立体構造を予測したり、従来にないたんぱく質を設計したりすることができれば、狙った働きを持つ医薬品やワクチンなどの開発に役立つ。

 ベイカー氏は、目的のたんぱく質を生み出すアミノ酸配列を提案するソフトウエアを発表した。深層学習(ディープラーニング)を導入した囲碁AI「アルファ碁」の開発者で知られるハサビス氏は、ジャンパー氏とともに、たんぱく質の構造を極めて高精度に予測するAIモデル「アルファフォールド2」を開発した。

AIの影響力の大きさ浮き彫りに

 8日に発表されたノーベル物理学賞では、深層学習につながる「人工ニューラルネットワークによる機械学習」の基礎を築いた元グーグル副社長でカナダ・トロント大のジェフリー・ヒントン名誉教授(76)らが受賞しており、科学研究へのAIの影響力の大きさが改めて浮き彫りになった。授賞式は12月10日にストックホルムで開かれる。賞金は1100万スウェーデンクローナ(約1億6000万円)。

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