牧原秀樹法相は11日の閣議後記者会見で、袴田巌さん（88）に対する再審無罪判決に対して検察当局が控訴断念を発表した検事総長談話について、「批判があることも承知しているが、判断理由の説明のため、必要な範囲で判決内容の一部に言及したもの」との見解を示した。
談話は、捜査機関による証拠の捏造（ねつぞう）を認定した判決に「到底承服できない」と強い不満を表明していた。袴田さん側は「いまでも巌さんを犯人と考えていると公言したに等しい」と非難していた。
牧原法相は談話について「検察は無罪判決を受け入れているわけで、（犯人視の指摘は）私は当たらないと思っている」とし、「相当の長期間にわたって袴田さんが法的に不安定な地位に置かれたという状況については、大変申し訳ない気持ちだ」と述べた。
弁護団は11日、談話の撤回や袴田さんへの謝罪を求める抗議・要請書を最高検に提出した。【三上健太郎】