Infoseek 楽天

「食の新たな潮流を」魅力度45位の茨城、新「ご当地グルメ」を決定

毎日新聞 2024年10月14日 22時51分

 茨城県を代表する新たなご当地グルメを決める「シン・いばらきメシ 総選挙2024」が12~14日の3日間、水戸市の県三の丸庁舎で開かれ、最終日の14日、グランプリが決定した。一般料理部門では、五霞(ごか)町の「シン・茨城あげそば~パリッ!カリッ!5つの味変シン食感~」、スイーツ部門では小美玉市の「ダイヤモンブラン」が県内44市町村の頂点に輝いた。

 茨城は収穫量全国1位の農産物が多く、牛などの畜産物はブランド銘柄がいくつもあり、豊かな漁場にも恵まれている「食材の宝庫」。ただ、県を代表するグルメがないのが現状で、新たなグルメを誕生させようと総選挙を企画した。

 総選挙ではインターネットによる事前投票とイベント会場での投票を総合し、各部門で上位10市町村を選出。その中から8人の審査員がおいしさや見た目だけでなく、新規性や観光資源としての可能性などを評価し、グランプリを決めた。

 「シン・茨城あげそば」は常陸秋そばを揚げ、レンコンなどの県産野菜をたっぷりトッピングした逸品。五霞町の知久(ちく)清志町長は受賞に「県内で(面積が)一番小さい町だが、茨城の頂点を目指し、他にない独創的なものを作ろうと取り組んできた。本当にうれしいし、自信になる」と喜んだ。

 一方、「ダイヤモンブラン」は、筑波山の山頂に夕日が沈む現象「ダイヤモンド筑波」を、生乳たっぷりのアイスにサツマイモクリームをかけて表現した。小美玉市の島田幸三市長は「市内から見られる絶景だけでなく、スイーツの魅力発信も小美玉からしていきたい」と今後の飛躍を誓った。

 大井川和彦知事は「ものすごくクオリティーが高く、(44市町村とも)想像以上に素晴らしい挑戦をしてくれた」とたたえた。上位入賞のグルメはさまざまなイベントで出品してもらい、PRの機会を設けるという。

 イベント期間中には民間シンクタンクによる2024年の「都道府県魅力度ランキング」が発表され、県は昨年の最下位から45位にアップ。報道陣に受け止めを問われた大井川知事は「我々の魅力は我々が知っている。全く論評するに値しない」としたうえで、「食の世界でも新しい潮流を茨城発で作っていくことで、外から見る茨城が変わってくると期待している。シン・いばらきメシはその一つの大きなきっかけになる」と述べ、今回の企画が県の魅力アップにつながるとの考えを強調した。【鈴木敬子】

 他の受賞作は次の通り。

 <準グランプリ>

 一般=HITACHIブランドあんかけ飯(日立市)

 スイーツ=シェーブルチーズのふわとろタルト(水戸市)

 <3位>

 一般=けんちんまん(常陸太田市)

 スイーツ=COPA DE BASCHEE~飲むバスチーパフェ~(高萩市)、茨城町産米粉のシフォンケーキ トリコロールパルフェ(茨城町)

この記事の関連ニュース