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ドングリ3年連続不作、クマ出没の危険 群馬県があの手この手で対策

毎日新聞 2024年10月16日 17時38分

 群馬県の鳥獣被害対策支援センターはクマの餌となるドングリの実り具合について調査し、3年連続の「不作」だったと発表した。県北部の山間地を中心に約2000頭が生息するとされるクマ。ドングリの不作で人里に出没する危険性は高まっており、県は職員自らがクマに扮(ふん)した動画で対処法を紹介するなど、あの手この手で注意を呼びかけている。

 同センターは9月上中旬にかけ、県北部の利根沼田地域の樹木約630本を目視で調査。ドングリの実り具合は「大豊作」から「無(結実がみられない)」までの7段階あり、今年は4段階目の「不作」と判定した。樹木の種類別では、ミズキが凶作、ブナ、ミズナラ、コナラ、クリは不作だった。

 不作の年は、クマの出没が増える。ドングリが主な餌となる9~12月のクマ目撃・出没件数は、豊作の2015年は36件だったのに対し、今年と同じく不作だった昨年は316件に上った。

 今年に入り、すでに被害は発生。5月には安中市の住宅にクマが侵入し、2人が重傷を負った。9月下旬にはみなかみ町で散歩中の人がひっかかれるなどして負傷が相次いだ。

 人身被害を防ぐため、県は動画とパンフレットを作成。クマと出くわした場合は、背中を向けずにゆっくり後ずさりし、襲われた時はクマの顔に向けて撃退スプレーを吹きかけるなどの方法を紹介している。【田所柳子】

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