大阪市東住吉区湯里6のマンションで10日夜、住民の女性が腹部を刺されて死亡する事件があり、大阪府警は11日、元夫(51)の関与が強まったとして殺人容疑で逮捕状を取った。元夫はマンションから逃走していたが、事件後に大量の薬を服用して病院に入院していたことが判明。府警は元夫の体調が回復次第、逮捕する方針。
逮捕状の容疑は、10日夜、このマンションに住む橋野美保さん(52)の腹部を刃物のようなもので刺し、殺害したとしている。上階の住民が10日午後10時20分ごろ、3階の廊下で元夫とみられる男性が橋野さんを襲う様子を目撃し、110番していた。橋野さんの腹部には複数の刺し傷があり、府警は司法解剖で死因を特定する。凶器は見つかっていないという。
捜査関係者によると、元夫が橋野さんを刺したとみられる直後に逃走する様子が、マンションの防犯カメラに記録されていた。府警が行方を追っていたところ、大量の薬を服用して大阪市内の病院に救急搬送されたことが明らかになった。元夫は自転車で現場から立ち去ったとみられるという。府警は元夫と橋野さんとの間に何らかのトラブルがあったとみて詳しく調べる。
現場は近鉄南大阪線針中野駅から南東に約900メートルの住宅街。マンション近くに住む70代の女性は「男性の『ウワーッ』という叫び声と、女性の大きな悲鳴が聞こえた。しばらくもみ合っているような声が聞こえ続けたので、何が起きたのかと思った」と語った。50代の女性は「『助けて』『警察を呼んで』という女性の大きな声が聞こえた」と話していた。【林みづき、斉藤朋恵、岩本一希】