落語芸術協会に所属する若手落語家のユニット「芸協カデンツァ」が12月、寄席の定席で新喜劇に挑む。「カデンツァのファン」という、ヨネスケのタレント名でもおなじみの落語家、桂米助さん(76)が11日、東京都内でユニットメンバーらと記者会見し、「若手の落語家にどんどん頑張ってもらいたい。落語界を盛り上げてほしい」とエールを送った。
芸協カデンツァは2019年4月、協会所属の二つ目10人で結成。定例落語会や特別公演を開いているが、集客に悩んでいたメンバーらが話し合いをする中で新喜劇を思いつき、6月のイベントでお披露目した。
「これがお客さんにバカ受け。僕はとにかく腹を抱えて笑いました」。舞台を見た米助さんが絶賛し、寄席の通常興行のトリとして新喜劇を行うことを提案した。
二つ目がトリを務めることはないが今回は「桂米助プレゼンツ」と冠し、開催にこぎ着けた。協会によると、250年とも言われる寄席の歴史で、通常興行のラストを二つ目の新喜劇で締めくくるのは初めての試みだという。
ユニットのリーダーで、来年5月に真打ちに昇進する瀧川鯉津さん(50)は「一過性のものではなくて暮れの風物詩にしたい」と意気込む。元・吉本新喜劇座員の経験を生かして新喜劇独特の動きを伝えているという笑福亭希光さん(45)は「それぞれの個性が爆発していると思う」と自信をのぞかせる。
米助さんは「(メンバーは)バラエティーに富んでいる10人。心ゆくまで笑ってくれれば」と話す。また、米大リーグで活躍する大谷翔平選手の活躍を引き合いに「カデンツァも落語と新喜劇の二刀流をやってほしい」と期待を寄せた。
12月6~10日、浅草演芸ホールの昼の部(午前11時40分開演、午後4時半終演)で上演。日替わりで三遊亭小遊三さん(10日)、笑福亭鶴光さん(9日)、笑福亭昇太さん(6日)、立川談幸さん(7、8、10日)らがゲスト出演する。問い合わせは同ホール(03・3841・6545)。【西本龍太朗】