会社社長の自宅があるマンションに侵入したとして、大阪府警は14日、職業・住居不詳の今井裕治(37)と広島市南区の会社役員、前川智一(40)両容疑者を邸宅侵入容疑で逮捕したと明らかにした。今井容疑者は闇バイトで集めたメンバーに強盗や空き巣を呼び掛けていたとみられ、府警は事件ごとに実行役を入れ替える「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」の指示役とみている。
逮捕容疑は実行役の男性(21)と共謀し、4月11日と12日、会社社長の自宅がある大阪市淀川区のマンションに無断で侵入したとしている。今井容疑者がアプリを使い、実行役の男性にバールを使って社長宅に侵入するよう指示。前川容疑者は事件に使われた車を用意したとみられる。
府警捜査3課によると、淀川区の事件の実行役の男性は、3月に山口県下松市で起きた強盗傷害事件に関与したとして、他の男性3人とともに山口県警に逮捕された。この事件の容疑者らのスマートフォンなどを調べたところ、今井容疑者が第三者を介してSNS(ネット交流サービス)で高額のアルバイトを募集していたことが判明。応募した実行役らに秘匿性の高いアプリで免許証の写真を送らせるなどし、グループから抜け出せないようにしていた可能性があるという。
府警は今井容疑者が他にも実行役を集め、各地で空き巣などを指示していたとみて調べる。【林みづき】