11月初旬、福岡県古賀市青柳の認定こども園「五所こども園」で園児らの上履きが相次いで盗まれる事件が発生した。通報を受けた県警粕屋署が設置した防犯カメラに映り込んだ意外な「犯人」の姿とは--。
6日朝、同園の園長から「げた箱にいれていた園児の上靴がばらまかれ、何足かなくなっている」と110番があった。警察官が向かうと園児10人分の上履き計15個がなくなっており、さらに翌7日朝にも上履きが散らばった状態で3人分がなくなっていた。
粕屋署は盗犯や強行犯の捜査員を入れて窃盗事件として捜査を始め、防犯カメラ3台を同日、園に設置。4日後の11日夜間にも1個がなくなり、捜査員らが映像を確認した。
すると、同日午後7時半過ぎ、壁の陰から現れた「犯人」は、げた箱を物色すると10秒ほどで上履きを持ち去って行った。カメラに映ったのは、白い上履きの片足をくわえて走り去るイタチとみられる小動物だった。
意外な「犯人」が判明し、園職員らは「とても不安だったけど動物と分かってほっとした」と胸をなでおろした。署員らも「人為的なものではなく安心したが、初めてのケースだ」と驚いていた。
粕屋署によると、なくなった上履きは見つかっていないという。園では、夜間はげた箱にネットをかける「防犯」対策に乗り出している。【栗栖由喜】