札幌市北区の認可保育園「アイグラン保育園拓北」で10月23日、1歳1カ月の男児が給食を喉に詰まらせ、搬送先の病院で亡くなった。11月15日に運営会社「アイグラン」(広島市)が札幌市内で記者会見し、明らかにした。橋本雅文社長は「本当に申し訳なく思う。同じことが起きないよう全力を尽くしたい」と謝罪。北海道警は業務上過失致死容疑も視野に慎重に捜査している。
アイグランによると、0歳児クラスに通う男児は10月23日午前11時ごろ、保育士に介助されて食事を始めたところ、しばらくたって食べ物を喉に詰まらせた様子を見せた。このため、保育士が男児の背中をたたくなどしながら園長のところに連れて行き、園長がすぐに119番したという。救急隊の到着まで人工呼吸や心臓マッサージをしたが、男児の意識は戻らなかったという。
給食は離乳食の焼き肉風炒め(豚肉、タマネギ、ニンジン、ニラ)と豆乳みそ汁(エノキダケ、ハクサイ、ニンジン)、キャベツのおひたし、軟飯、ヨーグルトが出されており、豚肉が喉に詰まった可能性が高い。アイグランは「食材は納品段階で2センチ角となっており、それを切り刻むなどして提供した」と説明。男児は今年7月に入園し、以前も食べたことのあるメニューだったという。
事故当時の保育室は男児を含む子ども5人、保育士2人がおり、保育士1人が男児と1対1で食事介助をしていた。2人の保育士はいずれも20年以上の保育経験のあるベテランだった。市によると、保育士の配置基準は0歳児3人に対し、保育士1人となっており、配置人数は適正だった。
市は保育園に対し、特別指導監査を行い、事実関係などを調査している。また、早ければ年内にも検証委員会を設立し、原因究明のほか、再発防止策などを検討する方針。
アイグランは全国461施設を運営しており、札幌市内は3施設がある。【高山純二】