北海道の鈴木直道知事は15日、市街地に現れたヒグマの猟銃による駆除を巡り、ハンターが発砲の法的責任を過度に心配せずに済む仕組みづくりを環境省に要望する考えを明らかにした。道猟友会の堀江篤会長とともに18日に環境省を訪れる。
クマによる人身被害増加を受け、環境省は市街地での猟銃使用を条件付きで緩和する鳥獣保護管理法の改正作業を進めている。
一方、道内では砂川市の要請でヒグマを駆除した道猟友会砂川支部長の男性が2019年、「民家に向けた危険な発砲だった」という理由で道公安委員会に猟銃所持の許可を取り消された。男性は処分取り消しを求めて係争中で、今年10月の札幌高裁判決は男性の訴えを認めた1審・札幌地裁判決を取り消し、請求を棄却した。
道内のハンターからは、行政の駆除要請に協力したハンターが、法的責任を問われる事態を疑問視する声もある。
鈴木知事は「捕獲従事者が安心して有害捕獲できるように取り組むことが大事だ。現場の関係者が緊密に連携し、捕獲従事者が不安なく捕獲できる仕組みになるように(国に)要望する」と話した。【石川勝義】