和歌山県田辺市の資産家で「紀州のドン・ファン」と呼ばれた野崎幸助さん(当時77歳)を殺害したとして、殺人などの罪に問われた元妻、須藤早貴被告(28)の裁判員裁判の論告求刑公判が18日、和歌山地裁で始まり、検察側は無期懲役を求刑した。判決は12月12日に言い渡される。
検察側は被告がインターネット上で「完全犯罪」などと何度も検索していたとし、状況証拠を積み重ねる立証を進めてきた。9月の初公判以降、覚醒剤の密売人や野崎さんの知人ら28人の証人尋問を実施した。
一方、被告は無罪を主張したうえで「(野崎さんから)覚醒剤を買ってくれないかと頼まれた。自殺の可能性もある」などと主張してきた。
起訴状によると、被告は2018年5月24日、野崎さんに致死量の覚醒剤を摂取させ、急性覚醒剤中毒で死亡させたとされる。【藤木俊治、安西李姫、駒木智一】