現代を代表する詩人、谷川俊太郎さんが92歳で亡くなった。谷川俊太郎さんと絵本「じべた」を共著した画家、黒田征太郎さん(85)=北九州市=は「谷川さんを前にすると緊張してしまう、そんな存在だった」と語る。
知り合ったのは若い頃。常に意識する存在ではあったが、実際に一緒に仕事をするまでには長い年月がかかった。2021年、谷川さんからの声かけで一緒に「じべた」を手掛けることになり「すっごくうれしいことだった」と振り返る。
訃報を聞き「自分さえ遠慮しなかったら、谷川さんともう1冊、2冊と一緒にやれたかな」と悔いも残る。でも「『じべた』がなかったら、本当に後悔していた。やれて良かった」と話し「今度は僕が『谷川さん』という作品を作ればいいかな」と思いをはせた。【上村里花】