神奈川県は、赤ちゃんに母乳を届ける女性らを支援するため、搾乳ができる場所であることを示すシンボルマークを作成した。公共施設や商業施設の授乳室に掲示してもらい、搾乳に対する理解を促進する。
県は10月30日、体重2500グラム未満で生まれた低出生体重児とその家族を支援するNPO法人「pena(ペナ)」と連携協力協定を締結した。シンボルマークはその取り組みの一環。
ペナによると、体重1500グラム未満で生まれた極低出生体重児は、免疫を高めるため粉ミルクよりも母乳が推奨されている。しかし入院中の赤ちゃんに母乳を届けるため、母親が一人で授乳室に入った際、周囲から「赤ちゃんが一緒にいないのにどうして」と不思議がられるケースがあったという。
低出生体重児の母親以外にも、出産後に復職した女性らは定期的に搾乳する必要もある。ペナの坂上彩理事長は「少しずつ搾乳が当たり前のこととして広がっていくことを望んでいる」と話した。
シンボルマークは、横浜市中区の商業施設「横浜ワールドポーターズ」の授乳室で掲示が始まっており、県内のイオンモールでも導入する。県のホームページから取得できる。【蓬田正志】