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「黙っていたら私も死んでしまう」 生活保護受給者の悲痛な叫び

毎日新聞 2024年11月21日 8時0分

 物価高騰により2年間先送りとなっていた生活保護費の見直しに向けた議論が年末にかけて行われる。依然として続く物価高の中、生活保護受給者はぎりぎりの生活を送る。ある受給者は追い詰められている状況を吐露した。

 近年の物価高騰は弱者とされる人々の生活に暗い影を落とす。約4年前から生活保護を受ける東京都内の50代女性は、週3日、午後8時になると近くのスーパーに行って半額シールが貼られた食料品を探す。この夏は室温が36度になる中でもクーラーを使わず、扇風機だけで暑さをしのいだ。月7万円弱の保護費では、どんなに節約をしても手元には2000円しか残らない。

 事務職として働いていた2018年、全身の激痛で日常生活が困難になる「線維筋痛症」と診断された。数年前に別の病名で診断されて月10万円の医療費を貯金などで賄っていたが、蓄えは尽き、薬の副作用で19年に仕事も辞めざるを得なくなった。

 通院先のケースワーカーに生活保護を代理申請してもらい、医療費の自己負担はなくなった。ただ、足元の物価高は生活を圧迫し、食べるだけで精いっぱいだ。世話になった知人が亡くなっても香典さえ満足に用意できない。

スーパーで見かけなくなった知人は…

 昨年8月、スーパーで生活保護受給者の70代女性と知り合った。自宅のエアコンは故障したままで、毎日閉店まで涼みに来ているという。

 今年8月、毎日いるはずの女性の姿を見なくなった。後に自宅で熱中症により亡くなったと知った。

 50代の女性自身も在宅中に熱中症で倒れた。「このまま黙っていたら私も同じように死んでしまう。働いていたときと違い、人間らしい生活、最低限の人付き合いも難しい状況であることを知ってほしい」と言葉を絞り出した。【肥沼直寛】

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