群馬県嬬恋村の万座温泉スキー場と隣接する万座高原ホテルは今冬、スキー場の滑走コースを限定し、期間中のホテル営業も一部に縮小する。9月にリフトの銅線ケーブルなどが盗まれる被害に遭い、復旧が間に合わないためという。
万座温泉スキー場などによると9月24日、リフトの制御装置に使われていた銅線ケーブルやレストランの電気ケーブル、蛇口などが盗まれていると従業員が気づき、警察に届け出た。被害は銅線など盗まれた物品だけでも300万円以上にのぼっており、現在も捜査中。
今季の営業は、12月21日~25年3月23日を予定しているが、盗難被害の影響でゲレンデ内のパノラマリフトAB線、万座高速リフト、万座山リフトは運休。プリンスリフトのみの運行とし、滑走コースは2コースに限定する。
また、スキー場の営業縮小による宿泊需要減が予想されることから、万座高原ホテルは25年1月5日~3月22日の期間に休業し、隣接する万座プリンスホテルに集約する。既に予約している客には、個別に連絡し、万座プリンスホテルの利用を案内するという。
万座温泉スキー場は、パウダースノーの良質な雪が人気。標高1994メートルの万座山から滑り降りる変化に富んだゲレンデは、初級者から上級者まで楽しめ、シーズン中は多くのスキー客でにぎわってきた。
スキー場・ホテルの運営会社の広報担当者は「非常に残念。スキー場のオープンを楽しみにされていたお客様には大変申し訳ない。コースは限定されるが、少しでもお客様にゲレンデを楽しんでいただきたい」と話している。【庄司哲也】