日本商工会議所は21日、将来的に「第3号被保険者制度(3号)」の解消を求める年金制度改革に関する提言を公表した。働き控えを招く「年収の壁」の根本的な要因となっているとした。日商が解消にまで踏み込んで主張するのは初めて。
3号は、厚生年金に加入する会社員や公務員らの配偶者で、年収130万円未満の人が対象。扶養に入れば、年金保険料を納付しなくても老後の基礎年金を受給できる。
提言では「将来的な解消について早急に国民の合意を得る努力をすべきだ」と求めた。東京都内で同日会見した五十嵐克也・日商企画調査部長は、制度を前提として暮らしている人がいることを踏まえ、「(解消の時期は)10年、20年先。ただ、解消に向けて決断は今すべきだ」と述べた。
3号を巡っては、連合も10月、制度廃止を求める方針を示している。【宇多川はるか】