群馬県西部にそびえる上毛三山の一つ、妙義山周辺で紅葉が見ごろを迎え、県内は秋の装いを深めている。今年は残暑が厳しかった影響で紅葉のピークが後ろにずれ込み、観光客らは少し遅い秋を楽しんでいる。
妙義山は白雲山、金洞山、金鶏山などの総称。奇岩怪石が織りなす景観が見事で、日本三奇勝に数えられる。険しい岩肌と、赤や黄色に染まったモミジやイチョウのコントラストが美しく、山を一望できる妙義山パノラマパークにはカメラを手にした観光客らが集まっていた。
富岡市観光協会によると、今年の色づきは例年より10日ほど遅いという。担当者は「寒暖差が少なく、ピークの期間は短くなるだろう」と予想している。
藤岡市三波川の桜山公園では、春と初冬の2度咲く全国でも珍しい冬桜が開花した。秋から冬へ向かうこの時期、紅葉と淡紅色の花の「競演」が見られ、園内を鮮やかに彩っている。
同公園の冬桜は1937年に国の名勝と天然記念物に指定され、現在は47ヘクタールの敷地に約7000本が植えられている。市鬼石総合支所の担当者は「紅葉が遅くなった分、冬桜との競演は11月下旬まで楽しめそう」と話す。12月1日には桜山まつりが開かれ、歌謡ショーなどが行われる。【湯浅聖一】