福岡市動植物園で24日、繁殖のため12月2日に横浜市立金沢動物園へ転出する絶滅危惧Ⅱ類(絶滅の危険が増大している種)、アラビアオリックスの雄のアミール(3歳)とコリー(2歳)のお別れガイドがあった。飼育員の小川祐基さん(27)が思い出などを語り「無事に到着してもらいたい」と願った。
同園によると、国内の飼育は福岡、横浜両市の8頭のみ。横から見ると2本の真っすぐな角が1本に見えるため、ユニコーンのモデルとも言われている。
自由研究のテーマにするほどのファンだという志免町の小学5年、原聡真さん(11)と同3年の妹優衣さん(9)は「横浜に行っても頑張ってほしい。また会いに行きたい」とさみしがっていた。
アラビアオリックスは、砂漠で日光を反射するため体は白く、四肢は茶色い。かつてアラビア半島を中心に生息していたが、角の乱獲のため1972年に一度は絶滅し、80年代に動物園などの飼育下で繁殖した個体が野生復帰しているという。【長岡健太郎】