大阪府八尾市の認定こども園で20~40代の保育士3人が園児に「あほ」「貧乏くさい」などの暴言を吐き、威圧的な態度を取っていたことが分かった。市は心理的虐待に相当すると判断して園に改善を指導し、園は3人を諭旨退職処分とした。市は「職員が互いに指摘し合う、悪いことを改める構造は機能していなかった」として、運営する社会福祉法人のガバナンス(組織統治)などにも問題があったとみている。
園に行くのを怖がるなどした2歳児の保護者が5月、園や市に相談。保護者が6月上旬の2日間、ボイスレコーダーを園児のかばんに入れて録音したところ、暴言などが確認された。市は園に早急な保育態勢の見直しなどを要求。3人は6月10日付で諭旨退職処分となった。
園が市に提出した報告書によると、40代の保育士2人は保育がうまくいかないことに感情的になり、威圧的な態度や言葉遣いになったとした。20代の保育士は上司への報告を怠るなど、園の指導も不足していたという。
取材に対し、保護者は「おむつを付けて上半身裸で泣いている子を放置したり、トイレで泣いている子を閉じ込めたりしている。園の説明は不十分で、いいかげん。隠すのではなく、何が起きたのかを公表して、保護者にはきちんと伝えるべきだ」と話している。一方、園は「園長が不在で対応できない」としている。【新宮達】