従業員が自腹で自社の商品の買い取りを強いられる「自爆営業」について、厚生労働省は26日の労働政策審議会で、要件を満たす場合はパワーハラスメントに該当するとして、パワハラ防止指針に明記する方針を示した。自社の男女間賃金格差の公表を従業員101人以上の企業に義務付ける方針も示した。年内に議論をまとめ、来年の通常国会に改正法案を提出する方針だ。
自爆営業は、使用者が従業員に商品の買い取りを強いる行為を指す。過剰なノルマが課されるケースもあり、郵便局での年賀はがきの買い取りなどが問題視されてきた。労働基準法などに違反する場合もあるが、直接規制する法律はないため、労働施策総合推進法に基づくパワハラ防止指針に明記することで企業の対策を促す狙いだ。
指針は、職場において▽優越的な関係を背景とした言動▽業務上必要かつ相当な範囲を超える▽労働者の就業環境が害される――の3要件を満たす行為をパワハラと定義。自爆営業がこれらの要件に当てはまる場合にパワハラに該当する旨を記載する。
男女間賃金格差の公表については現在、従業員301人以上の企業に義務付けられており、女性活躍推進法を改正して101人以上の企業に拡大する。厚労省は、公表が任意となっている女性管理職比率についても、従業員101人以上の企業を対象に公表を義務化する方針。【塩田彩】