人出が本格化する直前の夕刻、繁華街に爆発音がとどろき、黒煙が広がった――。札幌市中央区の雑居ビルで26日午後、4人が救急搬送される火災が発生。観光客も多く訪れる一帯は騒然となった。
「バンという音がして、視線を向けたらすぐにビルから火が出て、服が燃えた人が出てきた」。出火直後の様子を目撃した警備員の40代男性はそう振り返った。火元は繁華街・ススキノ中心部に建つビルの2、3階にまたがる飲食店。出火当時、2階付近の窓からは炎が噴き出し、窓がバリンバリンと割れていた。
ビルからは衣服に火が燃え移った男性も避難し、通行人らは布で懸命に腕付近をたたいて消火した。消火に当たった一人は「何事かと思った。店の従業員も付近のビルの前に座り込んでいた」と驚いた様子で語った。
現場周辺では、けたたましいサイレンが響く中、消防の車両22台が消火活動などに当たり、約1時間半後に鎮火した。【後藤佳怜、伊藤遥、谷口拓未】