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HPVワクチン、12市区で過剰接種 専門家「望ましくない」

毎日新聞 2024年12月3日 10時0分

 子宮頸(けい)がんを予防するHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンについて、全国の少なくとも12市区が接種済みの女性に不要な接種案内を郵送し、その女性が規定回数(3回)を超えてワクチンを打つ「過剰接種」をしていたことが毎日新聞の調査で判明した。過剰接種による健康被害のリスクは極めて低いものの、専門家には「望ましいものではない」として防ぐよう求める声がある。

 HPVワクチンを巡っては、副反応への懸念から接種を逃した女性が多い世代(1997~2007年度生まれの10代後半~20代後半)がある。国は現在、この世代に改めて無償で打つ機会を提供する「キャッチアップ接種」を実施している。対象女性には居住市区町村から案内が届き、女性は医療機関に出向いて接種を受ける仕組みで、過剰接種はこの過程で起きた。

 毎日新聞は7~9月、東京23区▽政令指定都市▽全国の道府県庁所在地――の主要74市区にアンケートや電話取材をし、キャッチアップ接種における過剰接種の有無などを尋ねた。すると、全国の12市区が過剰接種があったと答えた。

 琉球大大学院医学研究科の関根正幸教授によると、4回以上接種を受けた際の副反応を調べた研究結果は海外でもほとんどない。07年のスウェーデンでの研究では、4回以上接種を受けた場合、注射部位の痛みや腫れなどの局所反応が出る割合が少し高くなったものの、重篤な副反応は確認されなかったとのデータがあるという。

 厚生労働省予防接種課は「4回以上接種の報告は自治体から複数上がっている」としつつ、過剰接種を受けた場合にどんな副反応が出るかは把握していないとしている。【遠藤浩二】

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